米国ETF「SPYD」についての投資判断をまとめていきます。私の独断と偏見です。
SPYDはS&P500から選ばれた高利回り銘柄80銘柄のインデックスに連動したETFです。銘柄は均等に加重されています。
SPYDは、米国大型株の高利回りを追求するシンプルなアプローチで構成されたETFです。このETFは、S&P500のすべての配当支払企業を表示利回り(直近の配当金に配当頻度を乗じ、株価で割ったもの)でランク付けし、上位80銘柄を選択します。
SPYDは、一部の同業他社のETFに組み込まれている配当の持続性や質のスクリーニングを一切含んでいません。
SPYDはポートフォリオを均等に加重しています(類似のインカム重視のETFには利回りで加重するものがあります。たとえばHDVなど)。
SPYDは、S&P500のユニバースであることから、大型株セグメントに分類されることは注目に値するETFといえます。
SPYD(ETF)概要
純資産総額 | 7,752.01百万USドル |
設定日 | 2015/10/22 |
経費率 | 0.07% |
分配金利回り | 4.17% |
分配金回数/年 | 4 |
管理(運用)会社 | ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ |
・設定日は2015年。リーマンショック以降に設定されたETFです。設定後すでに7年が経過。日本の米国株投資家にもだいぶ認知され、配当株ETFといえば最初に思い浮かぶ米国ETFの一つとして認知されていると思います。
・純資産総額が直近で7,752.01百万ドル。これは流動性の観点から見れば安心できる規模の総資産額(Net Assets)だと思います。(資産総額が1B(ビリオン)を超えていると個人的にはOK。)
・経費率0.07%というのは非常に低い水準。低コストなのは長期的に見れば投資家に有利に働きます。コスト面だけでも安心して長期保有できるETFだということができます。
・分配金利回りは4%強の水準。分配金利回りは配当株ETFの水準としては比較的高い水準。ただSPYDの分配金利回りの年増加率は他の配当株ETFと比べてそれほど高くない点には注意が必要。SPYDの分配金利回りの年増加率には大きく期待せず現時点の高配当に着目するのが良いのかもしれません。
SPYD 組入上位銘柄トップ10
銘柄名 | 保有比率 |
Principal Financial Group, Inc. | 1.77% |
Cardinal Health, Inc. | 1.71% |
Gilead Sciences, Inc. | 1.66% |
Exxon Mobil Corporation | 1.63% |
Chevron Corporation | 1.61% |
NRG Energy, Inc. | 1.60% |
Phillips 66 | 1.58% |
Valero Energy Corporation | 1.55% |
Darden Restaurants, Inc. | 1.51% |
Huntington Bancshares Incorporated | 1.50% |
・SPYDの組入上位銘柄を見渡すと、日本人にも馴染みのある企業は少ない印象です。あえて挙げれば、ギリアド・サイエンシズ、エクソンモービル、シェブロンくらいでしょうか。
・SPYDは80銘柄の均等配分投資なので投資時点での各企業への投資配分はそれぞれ1.25%のはず。組み入れ上位銘柄の投資配分が1.25%以上になっているのはSPYD投資配分時点よりも株価が上昇して保有銘柄の比率が上がっているためではないかと思います。
SPYDの運用成績(トータルリターン)
SPYDの直近2年間のトータルリターンをS&P500インデックスETF(VOO)と比べてみました。
この2年間の運用成績を比べると、SPYDがVOOを上回っています。ボラティリティはSPYDのほうがVOOよりも若干高い結果となっています。
直近2年間だけ見ればSPYDが一貫してVOOのトータルリターンを上回っているようです。
ただ直近の好成績の理由は高インフレとウクライナ戦争によるエネルギー企業の株価上昇が主因だと思われます。これが今後も続くかどうか半信半疑といった感じです。
さらに、直近2年間ではなく3年間でSPYDとVOOを比較してみます。3年間まで広げるとコロナショック時も比較対象期間に含まれます。この期間で比べると今度はVOOのほうがリターンが上回ります。コロナショック時にSPYDは大きく下落し、その後の反発局面でもSPYDはVOOとのトータルリターン差を埋めることが出来ずVOOに引き離されています。その後の下落局面で徐々にSPYDとVOOの差が埋まってきたという印象です。
現時点の投資判断
本記事の投稿時点でSPYDは弱めの「買い」と判断しています。トータルリターンは直近は良好で経費率も良いです。
実際に2022年10月現在、SPYDは私の米国株ポートフォリオの1/8を占めています。
前述の「SPYDの運用成績」でも述べましたが、直近はエネルギー企業の株価上昇による恩恵を受けましたが、今後のトータルリターンの果実は不透明になるかもしれません。またコロナショック時の下落率の高さを見ても分かる通りショック耐性が弱いのも不安の種ではあります。さらにその後の回復局面を見ると回復力の弱さも見て取れます。
じゃあなんでホールドし続けているのかと言われると、私にとってSPYDはコロナショック時の底付近で一気に買い増したお宝ETFでして、いま売却すると多額の譲渡益課税がかかってしまうからです。。
なので多額の税金を払ってでもSPYDから乗り換えたい米国ETFが登場すればスイッチすることを検討しますが、今はそのETFはリストアップできていません。ですので他の米国ETFよりも消極的理由で保有し続けている次第です。
とはいえSPYDは他の配当株ETFよりも毎四半期ごとに高めの分配金が期待できます。それで良いといえば良いのです。
今後もSPYDは配当再投資などにより随時買い増していく予定です。