米国ETF「QYLD」についての投資判断をまとめていきます。私の独断と偏見です。
QYLDはナスダック100の銘柄を集めたインデックスに連動し、その銘柄のコールオプションを売ってそのオプションプレミアムを回収するETFとなります。
QYLDはQQQのNasdaq100のエクスポージャーと同じですが、コールオプションを売ることで収入を得、手数料を差し引いて投資家に還元しています。
カバードコールETFは米国では新しいものではありませんが、ナスダック100に適用したのはQYLDが初めてだそうです。
なおGXNDXカバコ(2865)は、正式名称「グローバルX NASDAQ100・カバード・コール ETF」となり、米国ETFの「QYLD」に連動した国内ETFとなっています。
QYLD(ETF)概要
純資産総額 | 6,405.07百万USドル |
設定日 | 2013/12/12 |
経費率 | 0.60% |
分配金利回り | 13.15% |
分配金回数/年 | 12 |
管理(運用)会社 | Global X Management Company |
・設定日は2013年。リーマンショック以降に設定されたETFです。日本の証券会社で取り扱われるようになってまだ日が浅いにもかかわらず、カバードコールETFといえば最初に思い浮かぶ米国ETFの一つとして人気を得ているように感じます。
・純資産総額が直近で6,405.07百万ドル。これは流動性の観点から見れば安心できる規模の総資産額(Net Assets)だと思います。(資産総額が1B(ビリオン)を超えていると個人的にはOK。)
・経費率0.60%というのは個人的には少しコスト高に感じてしまう水準。(低コストであればあるほど長期的に見れば投資家に有利に働くわけですから)。その少し高めのコストを勘案しても、なお保有する魅力があるかどうか、ポートフォリオの一角に組み込みたいと思うかどうか、だと思います。
・分配金利回りは13%台の水準。QYLDの分配金基準は月利で最大1%(つまり年利で12%がMAX)だったはず。なので、現時点で分配金利回り12%を超えているということはETFの株価が下落しているということだと思います。
QYLD 組入上位銘柄トップ10
銘柄名 | 保有比率 |
Apple Inc. | 10.06% |
Microsoft Corporation | 10.80% |
Amazon.com, Inc. | 5.86% |
Tesla Inc | 3.53% |
Alphabet Inc. Class C | 3.46% |
Alphabet Inc. Class A | 3.36% |
NVIDIA Corporation | 3.29% |
PepsiCo, Inc. | 2.48% |
Meta Platforms Inc. Class A | 2.28% |
Costco Wholesale Corporation | 2.25% |
・QYLDの組入上位銘柄を見渡すと、アメリカを代表する企業がズラリと並んでいます。アップル、マイクロソフト、アマゾン、テスラ、アルファベット(グーグル)、エヌビディア、ペプシコ、メタ(フェイスブック)、コストコ。米国株投資家ならどれも聞いたことのある銘柄ですね。
・QYLDはこれらのナスダック100指数の株式を購入したうえで、対応する同一指数のコール・オプションを売却します(オプションプレミアムを得るため)。
QYLDの運用成績(トータルリターン)
QYLDの今年(2022年)年初からのトータルリターンをNASDAQ100指数連動ETF(QQQ)と比べてみました。
今年のNASDAQ市場の下落局面においては、QYLDの運用成績(配当込み)のほうがQQQを上回っています。QYLDは下落局面ではQQQよりも抵抗力がありそうです。
続いて、QYLDとQQQの2年間のトータルリターン(配当込み)と比べてみました。この2年間で比べると、QYLDの運用成績はQQQを下回っています。ボラティリティはQYLDのほうがQQQよりも低くなっています。
直近2年間だけ見ればQYLDはQQQのトータルリターンを下回っていることがわかります。
さらに、直近3年間でQYLDとQQQを比較してみました。
直近3年間まで期間を広げるとコロナショック時の運用成績も比較することができます。この期間で比べると、もうQYLDとQQQの運用成績の差は圧倒的。QYLDはQQQに遠く及びません。。
現時点の投資判断
本記事の投稿時点でQYLDは「積極的に買うには微妙」と判断しています。分配金利回りは抜群ですが、トータルリターンで考えると他の配当ETFのほうが良い。
2022年11月現在、QYLDは私の米国株ポートフォリオには組み入れていません。
ただ、東証のGXNDXカバコ(2865)は日本株の投資余力があったので試し買いしています。若干の期待を込めつつ今後の推移を見守りたいと思います。
というわけで今後もQYLDは随時ウォッチしていきたいと思います。