米国ETF「JEPI」についての投資判断をまとめていきます。私の独断と偏見です。
JEPI は、米国の大型株とエクイティ・リンク・ノート(ELN)に投資するアクティブ運用のETFです。S&P500インデックスと同様のリターンを、より低いボラティリティと毎月のインカムで提供することを目指したETFです。
JEPIは、S&P500指数の中から、リスク・リターン特性が良好なバリュー株(銘柄)を選定し、ポートフォリオを構築しています。銘柄選定の際にはESGも考慮しているとのこと。最終的なポートフォリオは、ベンチマークと比較してボラティリティの低い銘柄を選択しています。さらに、ファンドの運用責任者はコール・オプションのエクイティ・リンク・ノート(ELN)に投資。このELNへの投資目的は、毎月の収入の確保と、より低いボラティリティでS&P500インデックスと同じリターンを得るためです。一方で、JEPIのリスクとしては、ELNを通じてコール・オプションに投資しているため、米国株式市場が急騰した場合、運用成績がアンダーパフォームする可能性があります。
ETF(JEPI)概要
純資産総額 | 16,774.47百万USドル |
設定日 | 2020/05/20 |
経費率 | 0.35% |
分配金利回り | 13.04% |
分配金回数 | 12回(毎月) |
運用会社 | JPモルガン |
・純資産総額が直近で12,560百万ドル。これは流動性の観点から見ればある程度安心できる規模の総資産額(Net Assets)だと思います。1B(ビリオン)を超えていると資産総額としてはクリアです。
・経費率0.35%というのは少し高い気もするが許容範囲かなと。日本の米国ETF投資家にも馴染みのあるVIG、VYM、HDV、SPYDと比べれば確かに経費率は高いけれども、DVYやSDYあたりとはほぼ同程度。グローバルX社のカバードコールETF(QYLD、XYLD、RYLD)の経費率0.6%よりは低い点は評価できるのかもしれない。
・分配金利回りは10%超。これが今後も続いてくれることに期待。
JEPI 組入上位銘柄トップ10
・JEPIの組入上位銘柄ですが、ハーシー、エクソンモービル、ペプシコ、コカ・コーラといった馴染みのある有名企業が多い印象です。その他、アッヴィ、ブリストル・マイヤーズ、ハネウェルなどの医薬品関連企業が目立ちますね。
・組入上位銘柄については良いとして、ETF保有中はELNの動向についての確認が必要だと思います。
JEPIの運用成績(トータルリターン)
JEPI直近2年間のトータルリターンをベンチマークのS&P500インデックスETF(VOO)と比べてみました。
この2年間の運用成績を比べると、JEPIがトータルリターンでVOOを上回り、ボラティリティも低いことが分かります。
さらに、JEPIとS&P500のカバードコール戦略を採用するETF「XYLD」とのトータルリターンを比較してみます。XYLDとの比較においてもJEPIのほうが高いリターンを生んでいます。
現時点の投資判断
私は2021年10月からJEPIに投資しています。本記事の投稿時点でもJEPIは「買い」と判断します。
2022年10月現在、JEPIは私の米国株ポートフォリオの1/8を占めています。
JEPIは米国株式市場のリスクオン時の上昇期待もあり、同時に毎月分配で配当利回りが10%近く期待できると考えています。
またELN保有リスクがあるとは思いつつも、低ボラティリィ運用・配当込みの運用成果はトータルリターンにも反映されております。
S&P500に投資するカバードコールETFはXYLDが有名ですが、原資産に対して100%カバードコールのXYLDよりも、最大20%をELNに投資するJEPIのほうが株価上昇余地があると判断しました。
だったらXYLGという選択肢もあるじゃないか?と思われる方もいると思いますが、XYLGはETFの総資産額がJEPI以上に少なくて、万が一売却を判断した際に希望価格で約定されない流動性リスクもあると思われます。
今後もJEPIの配当再投資などによりJEPIは買い増していく予定です。