米国ETF「VIG」についての投資判断をまとめていきます。私の独断と偏見です。
VIGは長期にわたり増配を続けている(10年以上連続の増配実績を持つ)米国株に投資するETFです。
上記のとおりVIGは配当の伸びに着目したETFです。VIGは過去10年間増配を続けている米国上場企業の中から銘柄選定しています。
ただし配当利回りの上位25%は除外するルールも設けています。その結果、他の高配当ETFと比べて緩やかな高利回りのポートフォリオとなっています。
VIGの保有銘柄は時価総額加重型であり、個別銘柄の加重は4%を上限としています。VIGの銘柄組み換えは毎年行われているようです。
VIGは、増配に基づく持続可能な成長を目指すタイプのETFといえます。
VIG(ETF)概要
純資産総額 | 56,830.31百万USドル |
設定日 | 2006/04/21 |
経費率 | 0.06% |
分配金利回り | 1.98% |
分配金回数/年 | 4 |
管理(運用)会社 | ザ・バンガード・グループ・インク |
・設定日は2006年。リーマンショック以前に設定されたETFです。リーマンショック、チャイナショック、コロナショックなどの大暴落を乗り越えている点は評価できると思います。
・純資産総額が直近で56,830.31百万ドル。これは流動性の観点から見れば安心できる規模の総資産額(Net Assets)だと思います。(資産総額が1B(ビリオン)を超えていると個人的にはOK。)
・経費率0.06%というのは非常に低い水準。低コストなのは長期的に見れば投資家に有利に働きます。コスト面だけでも安心して長期保有できるETFだということができます。
・分配金利回りは2%弱程度。分配金利回りは正直それほど高くはない。とはいえ大事なのはVIGは増配株だけを集めたETFだという点で、VIGを長く保有すると年数の経過とともに保有銘柄の増配により配当利回りが上昇することが期待できるのではと考えています。
VIG 組入上位銘柄トップ10
銘柄名 | 保有比率 |
UnitedHealth Group Incorporated | 4.40% |
Johnson & Johnson | 4.00% |
Microsoft Corporation | 3.73% |
JPMorgan Chase & Co. | 2.86% |
Procter & Gamble Company | 2.84% |
Home Depot, Inc. | 2.67% |
Visa Inc. Class A | 2.62% |
Mastercard Incorporated Class A | 2.27% |
PepsiCo, Inc. | 2.10% |
Coca-Cola Company | 2.03% |
・VIGの組入上位銘柄ですが、日本人にも馴染みのある有名企業が勢ぞろい。直近の組入比率を見ると、ユナイテッドヘルス、ジョンソンアンドジョンソン、マイクロソフト、JPモルガン、プロクター・アンド・ギャンブル、ホームデポ、VISA、マスターカード、ペプシコ、コカコーラといった馴染みのある銘柄がトップ10入り。他の配当株ETFではVISA、マスターカードは見当たらなかったので、両カード会社はおそらく高配当ではないけれど10年超の連続増配企業なんでしょうね。
VIGの運用成績(トータルリターン)
VIGの直近2年間のトータルリターンをS&P500インデックスETF(VOO)と比べてみました。
この2年間の運用成績を比べると、VIGがVOOを上回っています。ボラティリティはVOOよりもVIGのほうが低い結果となっています。とはいえVIGのほうがトータルリターンでVOOを下回っている時期もあるので期間の切り取り方で結果は変わってくるのかもしれません。
また、配当成長ETFであるDGRWと10年連続増配ETFであるVIGとのトータルリターンを比較してみます。同程度のリターンになるかと思いきや、直近2年ではDGRWのほうが高いリターンを生んでいます。ボラティリティはほぼ同程度(若干DGRWのほうが低い)ですね。
※【追記】念のため直近3年間のトータルリターンを比較しましたが、こちらもDGRWのほうがVIGを上回りました。(画像掲載は割愛します)。とはいえどちらも非常に高成績となっており両方のETFを持つ私としては両雄並び立つような結果に満足しています。
・直近3年間のトータルリターン VYM:29.1% DGRW:36.1%
現時点の投資判断
本記事の投稿時点でVIGは「買い」と判断しています。トータルリターンも経費率もとても良い。
実際に2022年10月現在、VIGは私の米国株ポートフォリオの1/8を占めています。
VIGは米国株式市場のリスクオン時の上昇期待もあり、また10年連続増配ETFという特質上、長期間保有により分配金利回りが増加していくことを期待できると考えています。
VIGとDGRWが最近比較され「どちらが良いか」といった疑問もあるようです。しかし、私は配当成長ETFのDGRWとVIGどちらも保持してどちらの成長の果実も得ようと思います。
今後もVIGは配当再投資などにより随時買い増していく予定です。